エアロフォン雑記帳

Aerophone AE-30に関する備忘録的雑記帳です。

behringer FCB1010の使用法でお悩みの方へ

 

ブログ一発目の記事として、今回は behringerMIDIフットコントローラ FCB1010の「使用法が分からない」、もしくは、「使用法は分かったけれど、何かしっくりこない」とお悩みの方へ、少しくらいはお力になれる・・・かもしれない話しをしたいと思います。

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私がFCB1010を買ったのは、Aerophone AE-30の様々なパラメータを切り替えながら演奏できたら恰好良いだろう、と思ったからです。
まぁ、人前で演奏することは考えていないので(と言うか、そこまでのレベルに達するには相当時間がかかる、ってことです)、いらないっちゃいらないのですが、とりあえず勢いで買っちゃいました。
形から入るのがジジィ趣味、なのですよ。

ところが、買ったは良いものの、いざ使おうとすると、製品マニュアルを読んでも操作法が全く理解できませんでした。
何と言うか、マニュアルに記載されている情報が系統立てて整理されておらず、個々の記述が結局何を意味しているのか、そこがさっぱり分からないのです。

そこでネット上の情報を漁ったところ、YouTubeにたくさんの動画が上がっていました。
ところが、それが全部英語(笑)
私はそこそこ英語が理解できますが、ネイティブが普通に使う表現に疎いため、読解が難しかったです。
そんなこんなで、半日かけてやっとこさ操作法を理解し、無事AE-30を制御することができました。

そんな経験から言うと、操作法を覚えるには、まずはその前提となるFCB1010の仕様、と言うか設計思想みたいなものを理解するのが早道に思えました。
一見複雑に思える操作法がスッキリ理解できる-そんな予備知識からお話しします。

※以下、一通りMIDIに関する知識がある方向けに話しを進めます。

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まず、次のイラストで、FCB1010の外観を確認してみましょう。

f:id:inakichi88:20220119142457j:plainご覧の通り、左側にフットスイッチが10個(#1~0)、そして右側にエクスプレッションペダルが2個あります。
このスイッチやペダルを使ってFCB1010に接続したMIDI機器を制御するには、スイッチあるいはペダルに実行させたい命令(MIDIメッセージ)をあらかじめ書き込んでおく(プログラミング)必要があります。
その具体的な方法をお話しする前に、FCB1010の仕様を確認しておきましょう。
(※説明の簡略化のため、MIDI Noteについては省略します)

【フットスイッチを押したときの仕様】
フットスイッチを押したとき、5つのPC(プログラムチェンジ)と、2つのCC(コントロールチェンジ)を、同時に送信することができる。

そして、これを聞いた私は、次のように勘違い(と言うか、思い込みかな?)してしまったのです。

なるほど。
フットスイッチごとにMIDIメッセージを書き込むメモリ領域が用意されているのだな。
で、メッセージを書き込むときは、フットスイッチの番号を指定して、そこに割り付けたいCCとかPCを書き込んでおく・・・ってことか。
単純じゃ~ん。


例えば、

フットスイッチ#1 : Volume制御のため CC#07 1つのみを書き込む
フットスイッチ#2 : バンク選択のため CC#01 および CC#32、さらに選択したバンクに送る PC の計3つを書き込む。

って感じです。

ところが、違うんですよ、これ。

皆さんの中にも、きっと私と同じ思い込みから、この後、訳が分からなくなってしまった方がいるはずです。

正解は、

全てのフットスイッチ1つずつに、「PC書き込み用メモリ領域が5つ」、「CC書き込み用メモリ領域が2つ」用意されおり、各メモリ領域に「書き込まれたメッセージを実際に送信するかどうか選択するフラグ(「スイッチ」の方が正しい表現かもしれませんが、ややこしいから「フラグ」で)」が用意されている。

なのです。

つまり、使う/使わないに関わらず、全てのフットスイッチには、5個のPC格納用メモリ領域と2個のCC格納用領域が最初から用意されているのです。

そして、上記のフットスイッチ#1を例にとると、

CCを1つしか使わないから、2つあるCC格納用領域のどちらか1つに#07とValueを入れ、その領域の送信フラグをONにし、もう一つのCC格納用領域およ5個のPC格納用領域の送信要否フラグをOFFにする。

と言う操作が必要になります。
まとめると、次の図のようになります。

f:id:inakichi88:20220119142448j:plain

さて、あとは実際にFCB1010を使ってMIDIメッセージを書き込むだけなのですが、この操作も結構複雑でややこしいのです。
ですが、ここまで書いてきたことをご理解いただければ、なぜこのような複雑な操作が必要なのか、そして操作の一つ一つの意味をきっとご理解いただけると思います。

それでは次回のエントリでは、実際にFCB1010を使ってAerophone AE-30を制御する方法を述べます。
その過程で、FCB1010で必要な操作の意味を知ることができるはずです。

具体的なFCB1010の操作を順を追って説明しますので、他のMIDI機器を制御したい方にも参考になると思いますよ!