エアロフォン雑記帳

Aerophone AE-30に関する備忘録的雑記帳です。

FCB1010でAerophone AE-30を制御する(その2)


前回に引き続き、FCB1010でAerophone AE-30を制御する方法のご紹介です。
今回は、AE-30に登録してある複数のフェバリットシーンを、FCB1010のフットスイッチを押すたびに順に切り替える方法を説明したいと思います。

FCB1010の使用法が分からない方は、こちらをご覧ください。


また、前回エントリの、

をご覧いただいてから、今回のエントリをご覧いただく方が、より理解しやすいかと思います。


AE-30のフェバリットシーンをFCB1010のフットスイッチで切り替える方法

まずは、フェバリットシーンを切り替えるためには、どのようなMIDIメッセージが必要かを調べます。

1.「AE-30パラメータガイド」のP67”コントロール・チェンジ一覧”を見る。
この表には、FCB1010などのMIDIコントローラで制御できるAE-30の機能が列挙されています。
機能に関してはちょっと分かりにくい表現もあり、私も全てを理解できてはいません。
おいおい、読み解いていくつもりです。
ともあれ、今回使いたい機能「フェバリットシーンの切り替え」は、

CC#22 Favorite Down」 と 「CC#23 Favorite Up

を使えばよいことが分かりました。

ところで、このパラメータガイドの”コントロール・チェンジ一覧”には、重大な欠陥があります。
それは、CCに付加する値(Value)の記述がすっかり抜けていることです。

このせいで、MIDIコントローラからAE-30の機能を制御することを諦めてしまった方も、もしかしたらいるかもしれませんね。

プログラムチェンジ(PC)と違い、コントロールチェンジ(CC)をMIDIメッセージとして送る場合、1個以上の値をパラメータ(正確にはアーギュメントなんじゃないかな)として付加する必要があります。
例えば、ボリュームを制御するCC#7の場合、ボリュームの大きさを同時に指定しないと、どの位の大きさで音を鳴らせばよいか、制御を受ける側(楽器など)が判断できません。
なので、MIDIメッセージとしてCC#7を送る場合は、同時にボリュームの大きさを指定する値を付加する必要があるのです。

ところが、この”コントロール・チェンジ一覧”には、付加する値が記述されていないため、CC番号が分かっても完全なMIDIメッセージを組み立てることができません。

こりゃ完全に詰まりましたか・・・

いやいや、ご安心ください。
MIDIメッセージを実際にプログラミングした経験豊富な方なら、対処法がすぐにお分かりになると思います。
実は、ほとんどのCCについては、何の値を付加する必要があるのか、だいたい推察できるのです。

上述したCC#7「ボリュームの指定」の場合、0~127の範囲の値を指定することが既知、つまり、ほとんどのMIDI機器において「CC#7の付加値に”0”を指定したら音が鳴らない、そして”127”を指定したら最大の音量で鳴る」と言うことが、既に知られているのです。

また、何らかの機能をON/OFFさせるCCの場合は、”0”を指定すると機能OFF、”127”を指定すると機能ONとなる仕様が一般的です。
一方、”0~63”の範囲のいずれかの数値を付加値とすれば機能OFF、”64~127”のいずれかで機能ONと言うMIDI機器の場合もありますが、とりあえずは”0”でOFF、”127”でONと覚えておけば間違いありません。

ちなみに、付加値として指定する数値は、現仕様では”0”から”127”の間の値しかありません。
このあたり、詳細説明は勘弁してください(笑)

と言うことで、”コントロール・チェンジ一覧”の記述漏れについては、恐らく実害はありません。
それにしても、やっぱり不親切としか言いようがありませんけどね。

さて、気を取り直して話を戻しましょう。

フェバリットシーン切り替えに必要なCC番号が分かったので、これを使ったMIDIメッセージをFCB1010に登録していきます。
例として、フットスイッチ#5に「フェバリットシーンを1つ下に移動」、スイッチ#0に「フェバリットシーンを1つ上に移動」を割り当ててみます。

※以下に述べる一つ一つの操作の意味するところは、

をご覧ください。

まず、フットスイッチ#5に「CC#22 Favorite Down」と付加値としてONを意味する”127”を割り当てます。

2.フットスイッチ#5を押す。
3.DOWNキーを長押して、プログラムモードに入る。
4.UPキーを押す。

ところで、今回使用するMIDIメッセージはCCが一つだけなので、メモリ番号6を使用することにします。(7でも可)
※このあたりの話しが?な方は、前回のエントリご覧ください。

5.フットスイッチ#6を長押しする。

そして、メモリ番号6以外のメモリ領域に登録してあるMIDIメッセージを送信不要にします。
6.フットスイッチの#1、#6、#8、#9以外でLEDが点灯しているフットペダルを長押しする。
フットスイッチ#8および#9は、エクスプレッションペダル制御用ですので、今回は送信してもしなくてよ良いのですが、とりあえず送信対象としておきます。
※エクスプレッションペダル用のメモリ領域(#8、#9)については、以前のエントリで説明した図中の説明文をご覧ください。


7.フットスイッチ#6を押す。
8.UPキーを押す。
9.フットスイッチ#2、続けてもう一度#2を押す。
10.UPキーを押す。
11.フットスイッチ#1、続けて#2、#7と押す。
12.UPキーを押す。
13.DOWNキーを長押しする。

以上で、フットスイッチ#5へ「フェバリットシーンを1つ下に移動」を割り付けることができました。
続けて、フットスイッチ#10へ「フェバリットシーンを1つ上に移動」を割り付けます。

14.フットスイッチ#5を押す。
15.DOWNキーを長押して、プログラムモードに入る。
16.UPキーを押す。
17.フットスイッチ#6を長押しする。
18.フットスイッチの#1、#6、#8、#9以外でLEDが点灯しているフットペダルを長押しする。
19.フットスイッチ#6を押す。
20.UPキーを押す。
21.フットスイッチ#2、続けてもう一度#3を押す。
22.UPキーを押す。
23.フットスイッチ#1、続けて#2、#7と押す。
24.UPキーを押す。25.DOWNキーを長押しする。

これで完成です!

ふぅ~、お疲れさまでした。